第29章

葵は自分の手を三秒ほど見つめてから、引き出しを開けた。春からもらった日本語パッケージの徐放性胃腸薬を取り出し、一粒シートから押し出して冷水で流し込む。暗号化チャンネルでは、まだメッセージが次々と更新されていた。

悠から二通目のメッセージが届く。雄志の意向書はすでにサインされたが、三日以内に正式な投資契約書を確認したいとのことだった。

葵はキーボードを叩き、返信した。

「法務に今夜中で初稿を出させて。明日の午前中には紺碧キャピタルに送れるように」

悠からの即答。

「了解。雄志さん、解散したあとに俺と十分くらい単独で話をしたんだ」

葵の指がキーボードの上で止まる。

「何を言ってたの...

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